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hidsgoの旧い記録

Freud Museum フロイト博物館

MyLondon シリーズ (2000年頃の写真)

 

ジークムント・フロイト (Sigmund Freud; 1856-1939) は82歳までウィーンで研究活動を行ったが、ナチスから逃れるため1938年に妻マルサ、娘アンナと共にロンドンに亡命し、この家で人生最後の1年余りを過ごした。現在この家はフロイト博物館として公開されている。

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ロンドンの閑静な住宅街の一角にある。フロイトに特に興味はなくても、地下鉄駅から普段の自分の生活空間とは異なる雰囲気の住宅地を歩き、著名な人物の足跡に触れることができるというのは、ロンドンのちょっとした楽しみだと思う。

 

ロンドンではBlue Plaqueがあちこちの建物の壁に掲げられ、諸分野で功績があった人物がかつてそこに居住していたことが示されている。この家にはジークムント・フロイトとアンナ・フロイトのplaquesがある。

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フロイトといえば精神分析家として患者を診察したときに使用したカウチが有名だが、館内にはフロイトオーストリアとロンドンのこの家で診察に使用したカウチを始め、当時の書斎が再現されている。娘の精神分析家アンナ・フロイトは世を去る1982年までこの家に住み、アンナの遺志としてこの家は博物館となった。

 

フロイト博物館のホームページを見ると、資料や展示物など博物館として充実しており、来館者は楽しめるようだ。

Freud Museum London

 

ショップの記念品もいろいろ。

Freud Museum Shop

 

場所は地下鉄Finchley Road駅近く。

20 Maresfield Gardens, London NW3 5SX

 

Down House ダウン・ハウス ~ チャールズ・ダーウィンの家

MyLondon シリーズ

 

チャールズ・ダーウィン (Charles Dawin) が後半生を過ごした家がロンドン南東部、Downe 村にある。「種の起源」もここで執筆された。現在は English Heritage により管理され公開されている。ロンドン中心部から電車とバスさらに徒歩で1時間少し。 ロンドンからの日帰り散策に適している。

 

下の写真は2000年10月撮影。他にも写真を撮ったと思うが、手元にあるのはこれだけ。もしいつか他に見つかったらアップしたい。

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ダーウィン (*1) は1809年2月12日、イングランド中西部シュルーズベリー (Shrewsbury) 生まれ。エジンバラ大医学部中退、ケンブリッジ大卒業後、1831-1836年、測量船ビーグル号に乗船し、ガラパゴス諸島など主に南米を探索。1837年、ロンドン (Gower Street) に住む。1839年、エマ (Emma) と結婚。1842年9月、ロンドンの喧騒を避け、ロンドン郊外 Down House に移り住む。ロンドン時代に着想を得ていた自然選択の考えについて、1959年「種の起源」(On the origin of species) (*2) を出版。1882年死去、ウエストミンスター寺院に埋葬。妻と兄は Downe の墓地に埋葬されている。

Downe という地にある Down House という名称だが、Downe はもともと Down と呼ばれてた。しかしアイルランドにある Down との混同を避けるため、19世紀半ばに Downe に変更されたという経緯がある (*3)。

Down House は English Heritage により1998年4月に一般公開された。さらに2009年2月、ダーウィン生誕200周年および「種の起源」出版150周年を記念し、3か月の改装期間を経て新たな展示物を加え再公開された (*4)。

 

Down House のホームページ by English Heritage。

www.english-heritage.org.uk

下に地図を掲げる。ピンを立てているところが Down House。ロンドンとの位置関係を示すため大縮尺で示すが、拡大もできる。

アクセス方法はホームページにある。

私が訪れた時はおそらく Bromley South駅からバスに乗り、バス停からちょっと歩いたと思う。ホームページによるとBromley Southからのバスは146系統。TfL (ロンドン交通局) サイトによれば終点は Downe Church。地図で見ると Downe Churchから Downe Houseまでは650メートルほど。10分弱の歩きだ。当時はもっと歩いたように思っていたが、そんなものなんだ。なおホームページによると、日曜以外はOrpington駅からR8バスが出てDown House前で要望により停まるらしい。

 

1枚の写真では家全体や内部、庭の様子を伝えられない (内部は撮影禁止のようだが)。

現在の Down House では、当時を再現した書斎やダイニング、ビリヤード・ルーム、寝室、直筆ノート、マルクスから送られたマルクスの署名入り「資本論」、ビーグル号の船室を再現した展示や、デジタル機器を駆使した種々の展示を見ることができるようだ。ダーウィンは長年ミミズを研究し、最後の著作はミミズに関するものだった。Down House の庭はとても lovely だが、この庭でダーウィンはミミズを研究し、それに関する展示もある。研究の記録だけでなく、この家を訪れた人がさまざまな展示を通じて感じるのは、妻と子供を愛し続けた優しい家庭人としてのダーウィンという人であるらしい (*4,5)。

 

ところで上に掲げた写真だが、帰り際に少し離れたところから家の側面を写したものだ。今改めて Google Street View で見ると、写真を撮ったのはこの位置からこの角度だとわかる。スクリーンショット画像とその下に Street View へのリンクを添付する。

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上の画像の Street View へのリンク:https://goo.gl/maps/KJLd3F6bHhv

私の写真では家の外壁が白くて、いろいろな記事で見る今の家の外壁はややベージュ色を帯びてる感じだが、単に見え方の違いか、あるいは改装の際に塗装し直されたりしているのだろうか。


*1 チャールズ・ダーウィン - Wikipedia
*2 正式タイトルは “On the Origin of Species by means of Natural Selection, or the Preservation of Favoured Races in the Struggle for Life.”
*3 Darwin Online: Introduction to Earthworms
*4 Charles Darwin anniversary: Down House, Kent - Telegraph
*5 Darwin's house: Discover the origins of evolution in rural Kent | The Independent

 

Highgate Cemetery ハイゲイト墓地

MyLondon シリーズ

お墓を見るのは好きだ。お墓にはその人の一生が凝縮されている。希望、喜び、悲しみ、業績、達成できなかったこと、言えなかった思い、悔しさ、、。それらを抱えて生きた人の一生に思いを馳せる。そして自分の有限の生を思う。また、海外のお墓は、墓碑が刻まれていたり墓石の形がさまざまだったり、1つ1つを拝見するのも興味深い。

ハイゲイト墓地 (Highgate Cemetery)。ロンドン北部の広大な墓地。イギリスの著名人が埋葬されている。マイケル・ファラデー (Michael Faraday)*1ジョージ・エリオット(George Eliot)*2 などはよく知られている名前であろう。中でもカール・マルクス (Karl Marx) の墓があることで知られており、訪れる観光客もちらほら見かける。

都会の喧噪を離れ、文化財としての価値も高いとされるこの墓所を散策してみるのもいいものだと思う。

以下15年以上前に訪問したときの写真。

西区画への入り口。いい雰囲気だ。

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西区画の1風景。

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マルクスのお墓。東区画にある。マルクスは1883年にロンドンで死去し(64歳)、当初のお墓は簡単なものだったが、1954年に当時のイギリス共産党がこの新しいお墓を建立したらしい*3*4。「Workers of all lands, Unite」「The philosophers have only interpreted the world in various ways. The point, however, is to change it.」とある。

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地下鉄Archway駅から徒歩20分ほど (バスもある)。東区画と西区画に分かれおり、東区画は入場料 (4ポンド) を払い、中を自由に散策できる。西区画はツアー (12ポンド) でのみ入場可。土日の日中にはツアーが30分おきくらいに出発とある。入り口で待っていればガイドの人がやって来て、その時集まっている人を連れて出発する。私も10人くらいのグループで回った記憶がある。その他以下のwebsiteに詳しい説明がある。上記入場料はこの記事を書いている2017年のwebsite情報。

Highgate Cemetery

 

現在 (2017年2月) このwebsiteを見ると、トップに "Sorry, we have no information about George Michael." と出ている。昨年クリスマスに逝去したジョージ・マイケルについて、母の墓所のあるこの地に埋葬される予定と報じられているためのようだ。

 


*1 電磁誘導の法則など物理・化学で重要な発見。高等教育を受けていない。
*2 作家。男性ペンネームだが、女性。「サイラス・マーナー」など。
*3 Karl Marx - Philosopher, Journalist, Historian, Economist - Biography.com
*4 カール・マルクス - Wikipedia

 

British Library 大英図書館

MyLondon シリーズ

大英図書館。英国およびアイルランドで出版されるすべての出版物が納められることになっている。日本の国会図書館に相当する。しかし蔵書は古今東西におよび、目録数1億5千万以上でアメリカ議会図書館に次いで世界第2位である (1)

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ロンドン中心部、セント・パンクラス (St. Pancras) 駅の隣、ユーストン通り (Euston Road) にあるこの図書館の建物は、1998年6月にオープンした (2)。それ以前の大英図書館の蔵書や機能は、大英博物館 (British Museum) の Reading Room や、その他5,6箇所に分散していた。

なお、上記写真はwikiなどで見る写真にそっくりだが、私が2000年前後に撮ったものだ。

 

外側から見ると、そっけない建物に見える。が中身はものすごく豊富である。研究者なら文献はどんなものでも手に入るといっていいだろう。外国の刊行物も閲覧可能で、日本の地方の博物館の研究紀要とか、バイオ関係の日本語雑誌が毎号保存されているのを、私は目撃した。図書館を利用するには、申請し承認される必要がある。特に調べ物がなくて観光で訪れただけの場合は、展示コーナーを見るだけになる (3)

 

写真左側に見える像は、アイザック・ニュートン (Isaac Newton)。イギリスの彫刻家エドゥアルド・パオロッツィ (Eduardo Paolozzi) が作成。18~19世紀の詩人であり画家であったウィリアム・ブレイク (William Blake) の絵画 (4) を基にしている。ニュートンが運動の法則を著した「プリンキピア」(Principia Mathematica) は大英図書館所蔵である。

 

英国で発行された新聞が保存してある大英図書館・新聞部は、ロンドン北部コリンデール (Colndale) にあり、この新館が開館した後も、その場所でサービスが続けられた。私も古い新聞記事を調べるため訪れたことがある。しかし2013年11月に閉鎖された。新聞はデジタル化され、オンライン・アクセスが可能になっているようだ。

ちなみに、コリンデールには90年代には日本食を売るスーパーマーケット、ヤオハンがあり、そこには旭屋書店も入居しており、当時の日本人のロンドン居住者は一度は訪れた場所だったろう。しかしヤオハンは1997年に倒産して閉店、旭屋書店も2003年に閉店となったのだった。

 

隣のセント・パンクラス駅は2007年にユーロスターのターミナル駅となり、大改修が行われた。さらにその隣のキングス・クロス (Kings Cross) 駅周辺では、大規模な再開発が進行している。大英図書館の裏 (北側) も、以前はひっそりしたエリアだったが、今はライフサイエンス系の研究所が稼働している (5)。徐々にロンドンも変わってきている。

 

Link: THE BRITISH LIBRARY - The world's knowledge


(1) British Library - Wikipedia
(2) History of the British Library
(3) British Library をご利用いただける方々
(4) Newton (Blake) - Wikipedia
(5) The Crick Institute unpeeled : Nature

 

British Museum Reading Room 大英博物館図書室

MyLondon シリーズ

大英博物館図書室 。ロンドンを観光で訪れたら誰しも必ず行くであろう大英博物館 (British Museum)。その建物の中心にこの図書室 (Reading Room) は位置する。

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Reading roomの壮観な眺め

 

内容を正確に訳すならば、大英博物館・旧図書室のほうがいいかもしれない。大英博物館の中心のドーム状の部分には、かつて大英図書館閲覧室があった。19世紀以来の歴史を有するその閲覧室は、数々の著名人にも利用され、例えばマルクスはここに通って資本論の原稿を書いたとされる。

1997年に大英図書館 (British Library) が近くに新築され、図書室の機能はそちらに移された。 さらに2000年のミレニアム事業で大英博物館は改装され、一般来館者に閉ざされていた中庭と旧図書室が、Great Court として誰しもがアクセスできる空間に生まれ変わった。

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Great Court のガラス貼り天井

 

それまで来館者は建物の外周部分の回廊を行ったり来たりしなければならず、自分が建物のどの位置にいるかわかりにくく、また行きたいところへすぐに行けなかった。改装後は中央の Great Court から各方向に行き来できるようになり、開放度が大いに高まったのだった。

 

大英博物館ホームページ

www.britishmuseum.org

Reading Room

www.britishmuseum.org

Great Court の設計は、ノーマン・フォスターらの Forster & Partners による。

www.fosterandpartners.com

 

Daunt Books ドーント書店

MyLondon シリーズ

ドーント書店 (Daunt Books)、マーリボン(*1) (Marylebone) 店。地図・旅行ガイド・旅行記など旅関係の本中心の書店。独自のチョイスによる小説など一般書籍も置いていた と思う。ロンドン中心北西部、Marylebone High Street にある。19世紀からの歴史があり、写真のように独特の吹き抜け構造の1,2階と地階がある。天井と窓から自然光が採光されている。国や地域別に分類された書棚に、その国や地域の地図や関連書籍がまとめて置かれている。旅好き、本好きなら是非、そうでなくても一度訪れたい書店である。

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(15年くらい前自分で撮影した書店内)

2011年に元記事を書いた当時、Daunt books のホームページでは店内の virtual tour が出来た。その時に地階の Japan の書棚の画像を切り出したのが下の画像。元記事では次のように記述してる。左の書棚にはガイドブックが並んでいる。右の書棚には日本にまつわる小説、日本人作家 の小説が並んでいるようである。Arthur Golden (アーサー・ゴールデン) Memoirs of a Geisha (邦題「さゆり」)、桐野夏生「OUT」、村上春樹ノルウェイの森」は判別できる。

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(2011年のDaunt Books ホームページ virtual tour のスクリーンショット)

 

今記事を書いている2016年12月現在は、Daunt Books Marylebone shop のホームページから Google map にアクセスして、店内を見ることが出来る。右側にある LG, GF, FF はそれぞれ、Lower Ground Floor (地階)、Ground Floor (1階)、First Floor (2階) のことで、見たい階をクリックする。国別の本は LG (地階) にある。2016年5月撮影とある。下は地階のJapanの棚の周辺。


(現在のGoogle map。2016年5月撮影とある)

スクリーンショットも撮っておいた。重複なので小さく掲げておく。

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(上記Google mapのスクリーンショット)

2011年時の画像と比べると、そのままの本も多いが、配置が変わったり一部新刊が入ったりしてることが分かる。(すべての本のタイトルがはっきり読み取れるほど、解像度は高くない。)

 

【場所】

83 Marylebone High Street London W1U 4QW

Tube の Baker Street駅 または Bond Street駅から少し歩く。

 

【リンク】

・Daunt Books:
Daunt Books for Travellers | Independent Booksellers London

・Daunt Books Marylebone:
Marylebone | Daunt Books

 


*1: Marylebone をどのように発音するかはイギリス人の中でも議論があるようだ。それだけで1記事になる。また日本語でカタカナ表記するときは基本的に現地音を採用するが、たとえば弱い母音の表記はまちまちだったり、bone (ボゥン) をボーン (boat をボート、skate をスケート) のように必ずしも現地音通りでない場合もある。Maryleboneには、「マーリボゥン」「マーリボン」「マリルボゥン」「マリルボン」などがあるようだが、ここでは総合的に判断して「マーリボン」にしておく。私は以前「メリルボン」と思っていたし、Google map のカタカナは「メアリルボーン」になっているが、どちらも違うようだ。

【参考】

How do you pronounce Marylebone? - Marylebone Online - Marylebone, London

What is the common and/or member pronunciation of 'Marylebone' in 'Marylebone Cricket Club'?

 

MyLondon

2000年頃ロンドンに滞在していた。その頃訪れた場所など、いくつか選んで記事にする。記事は以前社内SNSに掲載した記事をもとに再掲載する。

 

6年くらい前、会社で社内SNSというのが作られた。社員や場合によっては前社員が、仕事に関係あるなし関わらず、連絡したり話題を提供したりして交流を深める意図だった。一部サークルが利用したこともあったが、結局利用する人はほとんど居なかった。必要ならみんな自分のSNSを利用するわけで、わざわざ会社のプラットフォームを選ばなかったのだ。ごく少数の人が自分勝手にブログを書いたりしてたが、私もその1人だった。

そのときの最初の紹介文がこちら。

ロンドンやその周辺の観光スポットをいくつか挙げていこうと思う。観光客が必ず訪れるような、どのガイドブックにも載っているような場所をAリストとするならば、Bリストあたりから選んでいきたいと思う。
一度まとまったものを作ってwebpageなどにしておきたかったのだが出来ずじまいだったので、整理しておきたいというのが動機である。
 アクセス方法や所要時間、費用などの情報を盛り込めば有益だろうが、必ずしもそのような情報を記録しておらず、いずれにしても旧い記録なので、主に場所をリストアップしていくにとどまるだろう。

 

基本的に当時の社内ブログの記事を、適当に加筆するが最低限の書き直しに留め、地図やURLは最適なものにアップデートしてここに掲載しようと思う。

基本どこも自分で訪れていて、特に注釈がないかぎり写真は自分で撮ったもの。

現在の状況やアクセス方法は保証できないため、あくまで自分の思い出の中での場所の紹介である。